n8n は、起動しただけなら約400MiB で動く軽いアプリです。ただ、n8n の公式ドキュメントは「1つのノードが扱うデータの量に制限はない」と書いており、ワークフローしだいでメモリは大きく増えます。
そこで、1回の実行で扱うデータの量を変えながら、メモリがどこまで増えるかを実測しました。その結果をもとに、VPS のプランを選びます。
結論:ふだん使いは 2GB、大量のデータを扱うなら 4GB
- 2GB のプランなら、通知や連携など、1回に数千件程度までのワークフローに十分です。
- 1回の実行で数万件以上を扱うなら 4GB を選んでください。5万件で約1.0GiB、10万件で約1.5GiB まで増えました。
- 1GB のプランは、起動直後の使用量だけを見れば収まります。ただ、余裕は小さく、データの量が増えると足りなくなります。
実測1:何もしていないとき
n8n と、HTTPS 公開に使う Caddy を合わせた値です。構築の手順は n8n を Docker でセルフホストする手順で解説しています。
実測2:1回の実行で扱うアイテム数を増やしたとき
Webhook で起動し、Code ノードで指定した数のアイテム(1件あたり約1KBの文字列)を作り、次のノードで件数を数えるだけのワークフローを使いました。
| 1回に流したアイテム数 | 実行前 | 実行中のピーク | 処理時間 |
|---|---|---|---|
| 1,000件 | 365 MiB | 377 MiB | 0.1秒 |
| 10,000件 | 405 MiB | 470 MiB | 0.3秒 |
| 50,000件 | 511 MiB | 1.02 GiB | 0.8秒 |
| 100,000件 | 546 MiB | 1.47 GiB | 1.5秒 |
測定日 。macOS 上の Docker(OrbStack、arm64、割り当て 16GB)。Webhook で起動し、Code ノードで1件あたり約1KBの文字列を持つアイテムを指定の数だけ生成し、次の Code ノードで件数を数えるワークフローを使用。実行の前後をコンテナの cgroup から0.1秒間隔で読み、docker stats と同じ基準(キャッシュの一部を除く)でピークを取得。アイテム数ごとに3回測った中央値。実行データは既定どおり SQLite に保存。
- 1万件までは、大きくは増えません。 1万件でも、実行前より約65MiB 多い程度でした。
- 5万件を超えると急に増えます。 5万件のデータは文字列だけなら約50MB ですが、ピークは1GiB を超えました。n8n はノードごとに実行データを持ち、実行結果をデータベースにも保存するため、元のデータの何倍ものメモリを使うと考えられます。
- 大きな実行を重ねると、実行前の値も上がっていきます。 表の「実行前」の列のとおり、件数の多い実行を繰り返すたびに、次の実行を始める時点の使用量が増えていました。メモリは実行が終わってもすぐには解放されないため、ピークだけでなく、この上乗せ分も見込んでおく必要があります。
この測定の限界
使ったのは、ノード3つの単純なワークフローです。実際には、HTTP Request で大きな応答を受け取る、画像や PDF などのファイルを扱う、複数のワークフローが同時に動く、といった条件でメモリの使い方が変わります。表の値は「データの量に応じて、これくらい増える」という目安としてお使いください。
メモリを増やさずに済ませる方法
n8n の公式ドキュメントは、メモリ不足への対策として次の方法を挙げています。プランを上げる前に試す価値があります。
- データを小分けにする。 たとえば1回に1万件ではなく、200件ずつ処理する。
- サブワークフローに分ける。 Loop Over Items で小分けにし、Execute Workflow でサブワークフローを呼ぶと、処理中の分だけがメモリに載ります。
- Code ノードをなるべく使わない。 公式は、Code ノードがメモリを多く使うノードだと説明しています。
- 大量のデータを手動実行しない。 手動実行では、画面に表示するためにデータの複製が作られます。
2GB のプランの比較
| サービスとプラン | 1ヶ月契約 | 最長契約の月額 | ファイアウォール | 新規申込 |
|---|---|---|---|---|
| KAGOYA CLOUD VPS2GB、2コア、NVMe SSD 200GB | 770円 | 715円12ヶ月(年額) | 初期状態は全許可セキュリティグループ | 停止中 |
| WebARENA Indigo2GB、2コア、SSD 40GB | 814円 | 814円なし(時間課金のみ) | 未確認セキュリティグループ | 停止中 |
| シンVPS大容量メモリ 2GB、2コア、NVMe SSD 50GB | 1,040円 | 950円36ヶ月 | 未確認パケットフィルター | 受付中 |
| ConoHa VPS2GB、3コア、SSD 100GB | 1,259円初回 1,007円 | 903円36ヶ月初回 677円 | 初期状態で拒否セキュリティグループ | 受付中 |
| ABLENET VPSL1、2コア、SSD 40GB | 1,476円初回 1,234円 | 1,130円12ヶ月(年払い)初回 968円 | 記載なし | 受付中 |
| さくらのVPS2G、3コア、SSD 100GB | 1,738円 | 1,594円12ヶ月 | 一部だけ制限パケットフィルター | 一部のみ受付 |
| XServer VPS2GB、3コア、NVMe SSD 50GB受付停止の告知(7月14日)のあと、再開の告知が見当たらない | 1,980円 | 1,265円36ヶ月 | 初期状態で拒否パケットフィルター | 受付中 |
に各社の公式ページで確認した価格です。1ヶ月契約は更新時の価格で、時間課金・日額課金しかない会社は月額の上限を載せています(ConoHa VPS は一括前払いの1ヶ月の価格で、時間課金はこれより上限が高くなります)。最長契約の月額は、最も長い契約期間の料金を1ヶ月あたりに換算した額です。ファイアウォールは、VPS の管理画面で設定できるものの初期状態です。申込の受付状況は変わりやすいため、契約の前に公式ページで確かめてください。
- ConoHa VPS: 初回の価格は 2026年10月29日までのキャンペーン価格で、申し込み時だけ適用されます
- ABLENET VPS: 初回の価格は「契約時特別価格」で、最初の支払いだけに適用されます(期限の記載なし)
- 管理画面のファイアウォールが初期状態で閉じていると公式情報で確認できた会社のうち、10月23日時点で 2GB を申し込めるのは ConoHa VPS です。n8n を入れる公式の仕組みもあります。XServer VPS の 2GB は、7月に受付停止が告知されたあと、再開の告知が見当たりません。
- 1ヶ月契約で比べるなら シンVPS の 2GB が安く、n8n のアプリイメージ(2GB 以上のプランで利用可能)もあります。ただし、長期契約では ConoHa VPS のほうが安く、CPU とストレージも ConoHa VPS のほうが多めです。管理画面のパケットフィルターの初期状態は、公式ページでは確認できませんでした。契約したら最初に設定を確かめてください。
4GB のプランの比較
| サービスとプラン | 1ヶ月契約 | 最長契約の月額 | ファイアウォール | 新規申込 |
|---|---|---|---|---|
| WebARENA Indigo4GB、4コア、SSD 80GB | 1,630円 | 1,630円なし(時間課金のみ) | 未確認セキュリティグループ | 停止中 |
| KAGOYA CLOUD VPS4GB、4コア、NVMe SSD 600GB | 1,760円 | 1,617円12ヶ月(年額) | 初期状態は全許可セキュリティグループ | 停止中 |
| シンVPS大容量メモリ 4GB、3コア、NVMe SSD 50GB | 1,800円 | 1,350円36ヶ月 | 未確認パケットフィルター | 受付中 |
| ABLENET VPSL2、3コア、SSD 80GB | 2,167円 | 1,706円12ヶ月(年払い)初回 1,536円 | 記載なし | 受付中 |
| ConoHa VPS4GB、4コア、SSD 100GB | 2,189円初回 1,752円 | 1,691円36ヶ月初回 1,285円 | 初期状態で拒否セキュリティグループ | 受付中 |
| XServer VPS4GB、4コア、NVMe SSD 150GB | 2,640円 | 2,035円36ヶ月 | 初期状態で拒否パケットフィルター | 受付中 |
| さくらのVPS4G、4コア、SSD 200GB | 3,520円 | 3,227円12ヶ月 | 一部だけ制限パケットフィルター | 一部のみ受付 |
に各社の公式ページで確認した価格です。1ヶ月契約は更新時の価格で、時間課金・日額課金しかない会社は月額の上限を載せています(ConoHa VPS は一括前払いの1ヶ月の価格で、時間課金はこれより上限が高くなります)。最長契約の月額は、最も長い契約期間の料金を1ヶ月あたりに換算した額です。ファイアウォールは、VPS の管理画面で設定できるものの初期状態です。申込の受付状況は変わりやすいため、契約の前に公式ページで確かめてください。
- ABLENET VPS: 初回の価格は「契約時特別価格」で、最初の支払いだけに適用されます(期限の記載なし)
- ConoHa VPS: 初回の価格は 2026年10月29日までのキャンペーン価格で、申し込み時だけ適用されます
大量のデータを扱う場合や、将来 Dify なども同じサーバーで動かしたい場合は 4GB にしておくと、移行の手間が省けます。4GB の選び方は Dify の VPS の選び方で詳しく比べています。各社のファイアウォールや申込状況は、セルフホスト用 VPS の選び方にまとめています。
まとめ
- n8n のメモリは、何もしていなければ約400MiB。1回の実行で扱うデータの量に応じて増える。
- ふだん使いは 2GB、1回に数万件以上を扱うなら 4GB。
- プランを上げる前に、データの小分けやサブワークフローへの分割を試す。